麻布 2023年 問4

次の文章を読み
設問に答えなさい。

強いものと弱いもの。

頭のよいものとよくないもの。

教室には異なる種の生物が共存している。

くっきりと二分されているわけではなく、
あるものは足がはやく勉強ができるが、
性質がおとなしく、
あるものはどちらもそこそこであるが
空気をあやつるのがとてもうまく、
声が大きい。

力の関係は状況に応じて微妙に変化し、
ぎりぎりのところで均衡をたもつ。

均衡という言葉は最近、
図鑑で覚えた。

(中略)

草児は膝の上の図鑑を開く。

カンブリア紀になると
「目」のある生きものがあらわれ、
体が立体的になりました。

(中略)

それと同時に、生きものは、
食べたり食べられたりするように
なっていきました。

(中略)

生存競争はさらに激しくなっていきました。

来年、
草児は中学生になる。

生存競争はさらに激しくなっていきました。

●【草児は自分が
「食べる側」になれるとは、
どうしても思えない】。

勉強も運動もできないわけではないが
突出してできるわけではない。

クラスにもなじめていない。

( 『タイムマシンに乗れないぼくたち』
 寺地はるな より)

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■問

●「草児は自分が「食べる側」になれるとは、
 どうしても思えない」とありますが、
 教室において
「食べる側」とはどのような人たちですか。

 説明しなさい。

※この問に字数制限はありません。

 解答欄の大きさに合わせて
 記述する必要があります。

 実物大の解答欄を見てところ
 約20~30字だと思います。

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■解説・解答

「食べる側」とは、その直前にある

「生きものは、
 食べたり食べられたりするように
 なっていきました。」

 をうけての表現で
「生存競争」において
 勝つ側の生きものですね。

 では教室において
「生存競争」に勝つとは
 どういうことなのでしょうか。

 本文からは以下の表現が
 見つかると思います。

★1
「頭のよいものと…」

★2
「足がはやく勉強ができる」

★3
「空気をあやつるのがとてもうまく、
 声が大きい」

★4
「勉強も運動もできないわけではない」
(できる側が勝つ側)

★5
「クラスになじめていない」
(なじめるのが勝つ側)

 そして★1~5をまとめます。 
(見やすいように★1~5を再掲します)

★1
「頭のよいものと…」
★2
「足がはやく勉強ができる」
★3
「空気をあやつるのがとてもうまく、
 声が大きい」
★4
「勉強も運動もできないわけではない」
★5
「クラスになじめていない」

★1~5のまとめ

○「勉強か運動ができるか
 空気をあやつるのがとてもうまく
 声が大きい」(人たち)

 ただ、これだけだと
 どういう人たちか述べただけで
「説明」にはなっていません。

 問の最後には
「説明しなさい」とあるので
 それらの人たちが
 どういう人たちなのかを
「説明」する必要があります。

 どういう人たちなのか、まとめると
「何か優れた能力がある人たち」
 ですね。

 その人たちがどうなのかと言うと
「クラスの中で強い立場にいる」
 ということです。

 最後に、文末表現は問に合わせて
「~人たち。」とする必要があるので

「クラスの中で強い立場にいる
 何か優れた能力がある人たち。」
 
 のように記述しましょう。
 
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■解答(学校発表なし)

 クラスの中で強い立場にいる
 何か優れた能力がある人たち。  
  
 (27字)

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★おまけ

 問を良く読む必要があります。

「どのような人たちですか」
 で終わっていたら
 具体例だけ挙げても良いと思いますが

「説明しなさい」とあるので
 その人たちの立場などを
 読み手(採点者)に
「説明」する必要があります。

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