次の文章を読み
問いに答えなさい。
※【 C 】などの表記は
入試問題のままにしてあります。
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つまりハエは、
自らの体に花粉をつけて、
雄花から雌花へと花粉を運ぶ
運搬屋として働くわけである。
植物と昆虫の関係には、
ミツバチなどが花粉を食べ物として
利用する植物と代わりに、
花から花へ花粉を運び
植物の受粉に役立つ、【 C 】
植物と昆虫のお互いが
利益を得るという関係があるわけだが、
ラフレシアとハエの場合はどうなのか。
ハエにはとくに得るものは
ないように見える。
ラフレシアが一方的に得をしているのだ。
このような関係がほかにあるだろうか。
【 D 】サトイモや
カンアオイの仲間には、
ラフレシアと同様においを出して
ハエなどを引き寄せ受粉してもらうが、
ハエには特別の報酬を与えないという、
いわば騙しの関係のあることが
わかっている。
植物もなかなかやるものだ。
●【騙されたハエ】によって
受粉が終わると、
やがて雌花では果実が実り、
微小な種子が無数にできる。
(河合雅雄 編 『ふしぎの博物詩』所収
高橋晃
「熱帯雨林の妖怪ラフレシア」)
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■問
●【騙されたハエ】とありますが、
ハエが「騙された」とは
どういうことか、
具体的に説明しなさい。
※この問に字数の制限はなく
マス目がない解答欄の大きさに
合わせて記述する必要があります。
※実物大の解答欄を確認すると
約60~80字だと思われます。
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■解説・解答
●【騙されたハエ】の2文前に
★1
「ラフレシアと同様においを出して
ハエなどを引き寄せ受粉してもらうが、
ハエには特別の報酬を与えないという、
いわば騙しの関係」
とあるので、ここを中心に記述します。
ただ、これだけだと字数が足りないので
これに関連した内容がないか
本文を見てみると
以下のところが
見つかるのではないでしょうか。
★2
「花粉を食べ物として利用」
★3
「ハエにはとくに得るものはない…
ラフレシアが一方的に得をしている」
次に、★1~3をまとめます。
(見やすいように★1~3を再掲します)
★1
「ラフレシアと同様においを出して
ハエなどを引き寄せ受粉してもらうが、
ハエには特別の報酬を与えないという、
いわば騙しの関係」
★2
「花粉を食べ物として利用」
★3
「ハエにはとくに得るものはない…
ラフレシアが一方的に得をしている」
↓
◎「ラフレシアがにおいを出して
ハエを引き寄せ受粉してもらうが
ハエには食べ物の報酬を与えず
ラフレシアが一方的に
得をしているということ。」
※★1の「ハエなど」の
「など」は削除しました。
(ハエのみに限定した話なので)
※「特別の報酬」→「食べ物の報酬」
にしました。
(問の指示通り、具体的にするため。)
最後に、問とつなげてみて
意味が分かるか確認します。
問:「ハエが騙された」とありますが
ハエが「騙された」とは
答:ラフレシアがにおいを出して
ハエを引き寄せ受粉してもらうが
ハエには食べ物の報酬を与えず
ラフレシアが一方的に
得をしているということ。
大丈夫ですね、意味が分かります。
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■解答(学校発表なし)
ラフレシアがにおいを出して
ハエを引き寄せ受粉してもらうが
ハエには食べ物の報酬を与えず
ラフレシアが一方的に
得をしているということ。
(66字)
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★おまけ
この、
「どういうことか、説明しなさい」
というタイプの記述問題も
中学入試によくでますね。
「傍線部の意味、理解していますか?」
と受験生に問うことによって
その受験生の文章に対する理解度を
はかろうとしています。
このタイプの記述問題も
東大の入試によく出ます。
繰り返し解いて慣れましょう!
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