雙葉 2023年 大問題1 問5

次の文章を読み
問いに答えなさい。

※【 C 】などの表記は
 入試問題のままにしてあります。

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つまりハエは、
自らの体に花粉をつけて、
雄花から雌花へと花粉を運ぶ
運搬屋として働くわけである。

植物と昆虫の関係には、
ミツバチなどが花粉を食べ物として
利用する植物と代わりに、
花から花へ花粉を運び
植物の受粉に役立つ、【 C 】
植物と昆虫のお互いが
利益を得るという関係があるわけだが、
ラフレシアとハエの場合はどうなのか。

ハエにはとくに得るものは
ないように見える。

ラフレシアが一方的に得をしているのだ。

このような関係がほかにあるだろうか。

【 D 】サトイモや
カンアオイの仲間には、
ラフレシアと同様においを出して
ハエなどを引き寄せ受粉してもらうが、
ハエには特別の報酬ほうしゅうを与えないという、
いわばだましの関係のあることが
わかっている。

植物もなかなかやるものだ。

●【騙されたハエ】によって
受粉が終わると、
やがて雌花では果実が実り、
微小な種子が無数にできる。

(河合雅雄 編 『ふしぎの博物詩』所収しょしゅう 
 高橋あきら
「熱帯雨林の妖怪ラフレシア」)

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■問

●【騙されたハエ】とありますが、
 ハエが「騙された」とは
 どういうことか、
 具体的に説明しなさい。

※この問に字数の制限はなく
 マス目がない解答欄の大きさに
 合わせて記述する必要があります。

※実物大の解答欄を確認すると
 約60~80字だと思われます。

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■解説・解答

●【騙されたハエ】の2文前に 

★1
「ラフレシアと同様においを出して
 ハエなどを引き寄せ受粉してもらうが、
 ハエには特別の報酬を与えないという、
 いわば騙しの関係」

 とあるので、ここを中心に記述します。
 
 ただ、これだけだと字数が足りないので
 これに関連した内容がないか
 本文を見てみると
 以下のところが
 見つかるのではないでしょうか。

★2
「花粉を食べ物として利用」

★3
「ハエにはとくに得るものはない…
 ラフレシアが一方的に得をしている」

 次に、★1~3をまとめます。
(見やすいように★1~3を再掲します)

★1
「ラフレシアと同様においを出して
 ハエなどを引き寄せ受粉してもらうが、
 ハエには特別の報酬を与えないという、
 いわば騙しの関係」
★2
「花粉を食べ物として利用」
★3
「ハエにはとくに得るものはない…
 ラフレシアが一方的に得をしている」

◎「ラフレシアがにおいを出して 
 ハエを引き寄せ受粉してもらうが 
 ハエには食べ物の報酬を与えず 
 ラフレシアが一方的に
 得をしているということ。」

※★1の「ハエなど」の
「など」は削除しました。
(ハエのみに限定した話なので)

※「特別の報酬」→「食べ物の報酬」
 にしました。
(問の指示通り、具体的にするため。)
 
 最後に、問とつなげてみて
 意味が分かるか確認します。

問:「ハエが騙された」とありますが
  ハエが「騙された」とは

答:ラフレシアがにおいを出して 
 ハエを引き寄せ受粉してもらうが 
 ハエには食べ物の報酬を与えず 
 ラフレシアが一方的に
 得をしているということ。

 大丈夫ですね、意味が分かります。

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■解答(学校発表なし)

 ラフレシアがにおいを出して 
 ハエを引き寄せ受粉してもらうが 
 ハエには食べ物の報酬を与えず 
 ラフレシアが一方的に
 得をしているということ。
(66字)
  
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★おまけ

 この、
「どういうことか、説明しなさい」
 というタイプの記述問題も
 中学入試によくでますね。

「傍線部の意味、理解していますか?」
 と受験生に問うことによって
 その受験生の文章に対する理解度を
 はかろうとしています。

 このタイプの記述問題も
 東大の入試によく出ます。

 り返し解いて慣れましょう!
  
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