入試に出やすい作家さんって読んだ方がいいの?

 これは色々なところで
 言われていると思いますが
 結論を先にお伝えすると
 入試に出やすいからという理由では
 読まなくていいと思います。

 なぜなら、読んだところで
 その作家さんの文章が入試に
 出る確率はとても低いからです。

 いま、この考えに
 説得力を持たせるために
 その確率を計算してみます。

 首都圏で中学入試を
 行っている学校は
 約300校あります。

 そして、入試の回数別の学校数は

・1回…16校
・2回…34校
・3回…47校
・4回…194校

 つまり合計で
 1001回の入試がありました。

※四谷大塚の資料による。

 さらに、1回の入試につき
 文章は1~3つ出ますが
 物語文1つ、論説文1つで
 出題する学校が多いので
 平均2つの文章が出るとします。

 すると、首都圏で
 出題された文章数は
 1001回×2つ=2002
 になります。

 このうち、2023年に
 最も出題された本は
 古田徹也さんの
『いつもの言葉を哲学する』で
 7回でした。

※首都圏の学校のみのカウント

 つまり、ある本が
 入試で使われる、最大の確率は
 7÷2002≒0.3%になります。

 0.3%ですよ…。

 そのために読みますか?

 全く同じ本だけでなく、
 同じ著者の違う本や
 似たような設定や主張も含めると
 もっと確率は上がりますが…。

 自分の趣味や嗜好しこう
 一致いっちするなら
 読んでもいいと思いますが

「入試に出やすい作家さんだから。」

 という理由だけで読むのは
 非効率的だと思います。

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★おまけ

「前年度の夏に
 出版された本から出やすい。」

 という主張もよく目にします。

 これは確かに
 当たっていると思いますが
 日本では1日あたり
 約200冊の本が出版されています。

 次年度の入試の題材探しで
 夏に本屋巡りをするのも
 非効率的ですね。
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