成績を上げるための転塾はアリ?

 ※このコラムは8月下旬に執筆しました。

 8月も下旬にさしかかってきたので
 9月以降のことを見据え
 成績を上げるために
 思い切って転塾してみようか
 と考える人もいるかもしれません。

 そこで、今日お伝えするのは
 成績を上げるために転塾するのは
 アリか?ですが
 結論を先に言ってしまうと
 ナシです。

 転塾しただけでは成績は上がりません。

 どうしてそのように言えるのかと言うと
 1つは経験則によります。

 今まで
 「成績が上がらないので
  この塾を辞めます。」と言って
 他の塾に転塾する受験生を
 数多く見てきましたが
 その後、成績が上がったという話を
 聞いたことがありません。

 「他塾にいったんだから
  そんなこと分からないでしょ?」

 というツッコミが聞こえてきそうですが
 実際の入試会場の正門前で
 その生徒に会ってしまうことも
 珍しくないのです。

 そうすると、その生徒の
 おおよその成績が
 分かってしまうのですね。

 なぜなら、ある中学を受験するのは
 その中学の偏差値±5ぐらいの
 受験生たちだけですから。

「あの子、他塾に行ったけど
 やっぱり成績が上がらなかったんだ…」と
 少し悲しい気持ちになってしまいます。
 

 もう1つの理由は、論理的に考えて
 成績が上がる理由を説明することが
 できないからです。

 成績が上がるというのは
 点数が上がることで、
 点数が上がるとは
 それまで解けなかった問題が
 解けるようになるということですね。

 ×だった問が〇になって
 点数は上がります。

 では、なぜ転塾したら
 それまで解けなかった問題が
 解けるようになるのでしょうか。

 テキストやカリキュラムが変わるから?

 いや、大手塾のテキストは
 名前や表紙こそ違うものの
 その中身はほとんど同じです。

 そもそも、大手塾のテキストは
 ゴールである中学入試を基に
 逆算して作られているので
 各塾で大きく違うはずなどないのです。

 また、カリキュラムも
 曜日や授業時間こそ
 若干の違いはあるものの
 それによって
 今まで解けなかった問題が
 解けるようにはなりません。

 転塾すると費用がかさむだけでなく
 新しいテキスト、カリキュラム
 環境に慣れる必要があるので
 むしろデメリットの方が多いと思います。
 
 成績が上がらないから転塾する
 という安易な発想は捨てて
 今の自分を高める工夫をしましょう。

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★おまけ

 恐らく、大手塾の先生ならみんな
 この事実を知っていると思いますが
 多くの人たちは

 「退塾を阻止するため
 (売上を維持するため)に
 言っているだけでしょ?」

 と聞く耳持ってくれません…。

 どの先生も
 真剣に生徒のことを想って
 忠告しているのですが…。

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