次の文章を読んで
問いに答えなさい。
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一心不乱に勉強している人を見ると、
「あの人はやる気のある人だなぁ」
と思うことはありますが、
ブウンブウンと音を立てて
一心不乱に掃除しているルンバを見ても、
●【「あのルンバはやる気があるなぁ」
とは感じないでしょう】。
不思議な気がしますが、
なぜこのように人とルンバに対して
異なった感情が芽生えるのでしょうか。
それは動くための力のありかが
違うことを知っているからです。
ルンバが動くことができるのは、
ルンバの内部からの力ではなく、
外部からの力、すなわち、
電力によって動力を得ているからです。
ルンバに限らず機械が動くためには、
外部から電力やガソリンなどの
物理的な力が供給される必要があります。
その力を得た後に、
スイッチをいれると動き出します。
それに比べて、人間は
外部による力で動くことは
あまりありません。
むしろ、人間(やある種の動物)は、
内部からのやる気によって
自ら行動を起こします。
( 『勉強する気はなぜ起こらないのか』
外山美樹 より)
※ルンバ…
ロボット掃除機の商品名
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■問
●【「あのルンバはやる気があるなぁ」
とは感じないでしょう】とありますが、
なぜですか。
その理由として最も適当なものを
次の選択肢の中から選び
記号で答えなさい。
ア 人間は外部による力で動くことは
あまりないことだと感じているから。
ウ ルンバが動くのは、
外部から「やる気」を得ている
ためだと理解しているから。
オ 「やる気」とは、
人間の内部に存在している
力のことだと考えているから。
※本来はア~オの5択でしたが
答えとかけ離れた
選択肢は削りました。
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■解説・解答
各選択肢を見る前に
本文を読み直して
【「あのルンバはやる気があるなぁ」
とは感じない】理由を
おさえておきましょう。
すると以下の内容が目に留まりますね。
「動くための力のありかが
違うことを知っているから」
「ルンバが動くことができるのは…
外部からの力…
によって動力を得ているから」
「人間…は
内部からのやる気によって
自ら行動を起こします」
「『やる気』とは
人間の内部に存在している
力のこと」
これらをまとめると
「人間は
内部からのやる気によって
自ら行動を起こすが
ルンバは外部からの力
によって動力を得ているから
ルンバはやる気があるとは感じない」
ということになります。
※このメルマガの解説用に記述しましたが
実際に問題を解く際は
この内容が頭に入っていれば
わざわざ記述する必要はないです。
その考えをもとに各選択肢を見ると
ア 人間は外部による力で動くことは
あまりないことだと感じているから。
言っていることは
本文とかけ離れてはいませんが
これがなぜ
【「あのルンバはやる気があるなぁ」
とは感じない】理由なのかの
説明にはなっていません。
×です。
ウ ルンバが動くのは、
外部から「やる気」を得ている
ためだと理解しているから。
ルンバが動くのは、
外部から「やる気」ではなく
「電力によって動力」を
得ているからですね。
「『やる気』とは、人間の内部に
存在している力のこと」です。
×です。
オ「やる気」とは、
人間の内部に存在している
力のことだと考えているから。
これが正解ですね。
「やる気」とは、
人間の内部に存在している
力のことだと考えていて
ルンバが動くのは
「外部からの力」によるものだから
「あのルンバはやる気があるなぁ」
とは感じないのです。
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■解答(学校発表のもの) オ
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★おまけ
『勉強する気はなぜ起こらないのか』
の筆者の外山美樹さんは
筑波大学をご卒業され
現在も筑波大学で
教育心理学を研究されています。
『勉強する気はなぜ起こらないのか』は
2021年の4月に出版され
もうすぐ中学生になられる
娘さんのために書いたとのことです。
他の著書に
『行動を起こし、持続する力ー
モチベーションの心理学』
『実力発揮メソッドー
パフォーマンスの心理学』
などがあります。
なお、中学入試によく出る
「外山滋比古」さんと
親戚関係ではありません。
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